北風と太陽

ラーメン屋さんに「おひとりさま」出来る女性というのは、
なんとも言えず頼もしいものだと思う。
先日立ち寄ったラーメン屋さんで、
そんな女性を見かけたのですけれども、
いざ食べ始めた彼女は、すくい上げた麺に向かって、
「これでもか」と息を吹きかけていたのですね。
そう。
彼女は猫舌だったのです。
豪快な「女性おひとりさまinラーメン屋さん」なのに、猫舌。
したたかさとたおやかさの夢のコラボレーション。
しかも、出来立てアツアツのラーメンを引っ張りだして冷却にいそしむその姿は、アツイラーメンをアツイまま食べたいという抑え難い欲求と、猫舌という肉体的ハンデの相反する要素が醸した葛藤がにじみ出ていて、見るものを感涙させずにはおかなかった。
(たぶん、見ていたのは私だけだが。)
もちろん、
「冷やしつけ麺系」
に逃げなかったのは、彼女の意地だ。
そこにまた感動を禁じえない。
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